RebroでBIM設計図(そこそこBIM)を作ってみた。~制気口リスト、冷媒リスト作成も~

Rebro 設計図 Rebro応用
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今回は単線の設計図を、「そこそこ、BIMっぽく」描く方法を紹介します。
当然、設計図≒施工図が理想のBIMなのでしょうが、そんな悠長な物件(変更が無く!、時間がたっぷりある!)はあり得ないので、現実的な「そこそこ」だと思います。
今回の本音のところは、施工図の図面屋目線で、「施工図が楽になるための設計図として、ここまでやってくれると助かる!」というのを紹介しています。

「設計モード」と「施工モード」

こちらがRebroで描いた設計図です。
ほぼ「設計モード」で描いています。
制気口のみ「施工モード」です。(理由は後述します)
「設計モード」は高さ一定なので、当然CGで見ると当たりまくっています。
ドレンは勾配がなく水平です。
制気口とダクトもCGではつながっていません。

「設計モード」「施工モード」の切替は画面右上にあります。

機器は3D部材(できれば正式型番)で描く

BIMの時代なので、設計図も2Dではなく3D部材で機器を入れましょう。
設計段階はメーカーなんて決まっていない場合も多いと思いますが、
・決まっているなら正式な型番で「メーカー提供部材」だと最高です。
・決まっていない場合は「システム部材」の3Dデータでもいいです。

最初の納まり検討で、そのまま使えるので施工図のとっかかりで手間が省けます。
設置高さは全部FL+3000とかでもいいです。
(メーカー提供部材はNYKさんのホームページからダウンロードできます。)

機器は「機器番号」を属性情報に入れ込む

機器配置の時に機器番号の入力ができます。
または、機器のプロパティから入力、変更もできます。

属性情報として入れ込んでおくと、この「機器番号の記入」でワンクリックで記号が描けます。
せっかくRebroで設計図を描くなら、「手書き」(〇と文字)はやめましょう。

制気口は「施工モード」で描く

「設計モード」でも制気口は描けるのですが、やってみると
・なぜか属性情報はアネモになってしまう
・「HS200×200」等の属性情報が入れられないので制気口リスト機能が使えない

ということがわかりました。
平面図上は、四角のVHS、HSにはなるのですが、サイズ記入するとアネモです。
当然ですがCGで見てもアネモです。

「施工モード」で制気口の描き方

「ダクト」→「制気口」
種類、サイズ、風量、ボックスサイズ、内張り有り無しを入力して配置します。
面倒ですが、ここまでやっておくと当然、施工図にするときに楽です。
また、以下のように、設計図としても便利なことがあります。

制気口リストを作る

上記のように属性情報を入れ込んでおくと、制気口リストが簡単にできます。
「ツール」→「制気口リスト」から
「表タイプ」と「室名」を入力して配置します。
この制気口リストは、モデルの属性(プロパティ)に連動しているので、モデル側でサイズや風量を変更したらリストも自動的に修正されます。

配管、ダクトのサイズはちゃんと属性として入れ込む

従来の設計図は、サイズは「手書き」が多かったと思いますが、BIMの時代は、属性としてちゃんとサイズを入れ込みましょう。
「サイズ記入」も簡単で便利ですし、施工図にするときもサイズ属性があるのと無いのとでは、とっかかりのスピードがぜんぜん違います。

冷媒サイズリストを作る

「ツール」→「冷媒サイズリスト」から
「表タイプ」を選んで配置します。

冷媒サイズの設定

初期設定では、3管式等の物件によっては必要のないサイズや、逆に足りないサイズもあると思います。 「配管」タブから画面右上の「その他の設定」→「冷媒サイズの設定」
サイズの追加、編集、削除ができます。
また「☑記号を自動でナンバリングする」にチェックしておけば、あとでサイズが増えてもサイズ順に記号が整理されます。
冷媒リストがサイズ順に並んでいない設計図をよく見ますが、Rebroの冷媒サイズリストなら自動で並び替えしてくれて、冷媒管に記入済みの記号も自動的に修正されます。

単線の設計図を複線にしてみる

全体を選択し「配管(ダクト)」→「複線に変更」
これですべて複線になりました。
「×」が出るのはスパイラルダクトの差込代不足です。

施工図をここから描いていく場合、建築情報(階高、梁、天井等)を入れて、機器、配管ダクトの高さ調整やドレン、排水の勾配付加をして、納まり検討していくことになります。
また、Rebroの「干渉検査」機能を使えば、当たっている箇所がリストアップされるので、この機能を活用して修正していく方法もあります。

「干渉検査」とスパイラルダクトの「×」については、こちらのブログをご覧ください。

BIMについて

BIMは「3D」や「納まり検討」だけではありません。
BIMの「I」は「Information」=「情報」ですので、いかに属性情報(プロパティ)を有効に使いこなすか、後工程に正確かつスムーズに情報を引き継ぐか、が肝だと思います。
でも、各工程(今回では設計図と施工図)の担当者がみんなBIMソフトを使いこなす必要があるので、現状はまだまだ限定的かなあと思います。
誰かに作業が偏ったり、しわ寄せがくるようなBIMでは意味がないですよね・・・
理想は「みんながラクできるBIM」でしょうか?

まとめ

今回は単線の設計図を、「そこそこ、BIMっぽく」描く方法を紹介しました。
ここまで設計図で属性情報を入れ込んでおいてもらうと、施工図の立場としては結構ラクになります。
せっかくRebroでやるなら、設計担当者の方には、ぜひ、このあたりまで設計図でやっておいてもらうと助かるなあと思います。
でも、逆の立場だと仕事が増えるだけなので、ちょっと困りますが・・・。

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