今回はIFCとBE-Bridgeの両方で、TfasをRebroに変換してみたいと思います。
前回は2Dデータ(DWG、DXF)については触れていなかったので、今回は2Dデータも一緒に読み込む方法を紹介します。
IFCとBE-Bridgeのどちらがいいのか?
後ほど説明しますが、BE-Bridgeは今後バージョンアップは無さそうなのと、私の感覚では、消えてしまう部材、文字があるという点でちょっと心配です。
今後は、やはりバージョンアップしているIFCのほうが良いような気がします。
IFCとは
IFCはBIMの国際的なデータ規格、ファイル形式です。
通り芯、階層、要素タイプ、レイヤー、プロパティなどの情報が保存できます。
図形は3Dデータのみです。
BE-Bridgeとは(拡張子.CEQ)
財団法人 建設業振興基金 建設産業情報化推進センター設計製造情報化評議会(C-CADEC)・・・長い・・・が開発した空調衛生設備用のCADデータ交換仕様とのことです。
保存できる情報はIFCとほぼ同じです。
ただし、ホームページを見ると、もうこの評議会は解散し、バージョンアップも2015年で止まっているようです。
今後は、やはりバージョンアップしているIFCのほうが良いような気がします。
Tfas施工図
今回使用する施工図はコレです。
建築部材として梁、天井も入れてあります。
TfasをIFCとDWGに変換する
Tfasで「名前を付けて保存」でIFCとDWGの2つのファイルを作成します。
IFCとDWGを別々に1つずつ変換して保存することになります。
RebroでIFCとDWGを一発で読み込む
Rebroで「ホーム」→「開く」からIFCデータのみ読み込みます。
ポップアップで以下の画面が出ますので、「形状・系統」のところで 「☑2D図面を読み込(DWG)」に☑を入れておきます。
これでOKするとIFCと一緒にDWGも読み込まれます。
このとき、IFCとDWGデータは同じフォルダにいないとダメです。
別のフォルダにいるとDWGは読み込まれません。
これがRebroで読み込んだ図面です。
一見、3Dモデル(配管、ダクト、梁、天井)も2Dデータ(建築図、文字、寸法)もちゃんと読み込まれているように見えます。
以上で完成です!・・・ と言いたいところですが・・・
しかし、よく見るとダクトや配管がダブっています。
見た目はわからないですが、機器や梁、点検口もダブっています。
これはIFCの3Dモデル(本物)とDWGの2Dデータ(偽物)が 重なっているからです。
ちなみに先ほどの「IFC形式を開く」の設定で「設備データと重複する2D図形を削除する」に☑があってもダメでした。(不明・・・)
DWGの2Dデータ(偽物)の消し方
文字と寸法は残して、ダブった2Dデータは消したいと思います。
レイヤーが分かれていれば楽なのですが、例えば「外気ダクト」レイヤーには ダクトの部材も文字(OA150φFL+3000)も入っています。
こういう時は「選択要素の絞り込み」が便利です。
レイヤー一覧から「選択したレイヤーを画面上で要素選択する」をクリックします。
次に画面右上の「オプション」→「選択要素の絞り込み」で 「文字」の☑を外しOKします。
これで文字以外の2Dデータだけ削除できます。
これを各レイヤーでやれば、それほど手間なくやれると思います。
一応、見た目にはRebroに変換できました!
サイズ文字、寸法が紐づいていない
寸法線のプロパティを見ると以下のように文字と線、円のグループ図形になっています。
(グループ図形のプロパティは「すべて(5)」の右横の▽を押すと内分けを見ることができます。)
Rebroの「寸法線」では無いので、モデルを移動させても寸法線は連動してくれません。
サイズや高さもただの「文字」なので同様です。
ここからRebroで修正、変更をしていくには、レイヤー整理も含めやはり、ひと手間ふた手間かかりますね。
TfasをBE-Bridgeに変換する
今度はIFCではなくBE-Bridgeに変換してやってみました。
やり方はIFCのときと同じです。
今度はCEQ(BE-Bridgeの拡張子)とDXFファイルが同時に作成されました。
こちらは一発で2つのファイルが作成されます。
RebroでCEQとDXFを一発で読み込む
IFCと同様でCEQを開くと以下のポップアップが出ます。
ここでもDXFファイルの読み込み設定がありました。
これがRebroで読み込んだ図面です。
IFC変換とBE-Bridge変換の違い
BE-Bridgeからの変換の場合、以下の違い(IFCと比べ)がありました。(気づいた点だけ)
・ダブったDXFデータ(偽物の2Dデータ)は自動的に削除された。
・冷媒分岐管は3Dで消えた(2D汎用図形になった)
・VHSの「300×300」という文字がどこかに消えた・・・
・3Dで機器に斜線が出る
IFCのときと同様、サイズ文字、寸法は紐づいていないので、ここから修正、変更していくのは、やはり手間がかかりますね。
まとめ
今回はIFCとBE-Bridgeの両方で、TfasをRebroに変換してみました。
今回は簡単な施工図なので、それほど問題は起きませんでしたが、もっと複雑でいろんな部材を使っていたり、レイアウトや断面図などがある場合は、根本的なTfasとRebroの機能の違いもあるので簡単には変換できないかと思います。
まあ、違う会社のCADなので、仕方ないですね。
参考に、こちらのブログもぜひご覧ください。